法人役員の地位が絡んだ離婚で、高額な慰謝料等を獲得した事案

法人役員の地位が絡んだ離婚で、高額な慰謝料等

を獲得した事案

依頼者

  妻 50歳台  職業 法人役員

相手方

  夫 50歳台  職業 法人役員代表

財産

  マンション、預貯金、自動車

子供

  3人、うち未成年1人             

和解

 1 当事者は離婚する。
 2 親権者は妻とする。
 3 夫は、妻に対して、解決金(実質は慰謝料)として2000
   万円支払う。
 4 夫は、妻に対して、財産分与として、マンションを贈与する。
 5 夫は、妻に対して、自動車を贈与する。
 6 夫は、妻に対して、養育費として月20万円支払う(実際の
   条項はもっと複雑でしたが、ここでは概略を紹介致します)
 7 年金分割
   ※上記に加え、調停外において、夫が妻に対し、実質的に、離婚
    後に月数万円を支払う旨の合意が成立しました。
 

依頼のきっかけ

 

依頼者と夫は、夫の暴力などがきっかけで長年別居状態でした。依頼者は、夫が代表となって立ち上げた法人の非常勤役員となっていたのですが、突然、夫が、「当該法人の状況が変わった」との理由で、妻に対して、離婚の上、当該法人の役員から降りるよう求める調停を申し立てしてきました。

依頼者としては、到底納得できる話ではなかったので、弊所にご相談に来られました。

 

事件終結までの流れ

 

本来、離婚と法人の役員の地位は、法律的には無関係・・・つまり、依頼者の法人の役員たる地位は、当該法人と依頼者との問題であって、当該法人に依頼者を解任できるような事情がなければ、当該法人は依頼者を解任できません。

弁護士が関係法令や役員名簿・就業規則などを確認したところ、依頼者が解任されるような事情はありませんでしたので、もし、本来解任されるべき立場にない依頼者を解任したいのであれば、離婚原因が夫側にあることも含めて、相応の対価を支払うよう求めました。

これに対し、相手方の夫も、(許されるべきことではありませんが)一方的に依頼者の役員報酬を減額するなどしてきましたが、訴訟になった場合のリスクや当方が提示する条件を受諾しない場合に当方が執り得る手段を説明するなどして粘り強く交渉し、上記和解が成立しました。

弁護士の目

本件は、離婚と法人役員の地位という別々に検討されるべき問題がセットになっていましたので、その調整が難しい事案でした。

もし、調停で合意が成立しない場合、離婚と法人役員の地位のそれぞれについて最終的には訴訟で解決するしかない案件でしたので、もし訴訟になった場合に当事者双方が負いうるリスクを勘案しながら、この2つの問題を同時に解決するために双方が納得できる案を練っていく必要があったのです。

相手方弁護士の反論なども踏まえ、適切に訴訟リスクを把握した上で、依頼者に合理的な解決案の説明することによって、上記和解のとおり、高額な財産給付を確保することができました。
 

離婚に関する質問は、お気軽にお問い合わせください離婚に関する質問は、お気軽にお問い合わせください

弁護士法人ラグーンの 解決事例はこちら弁護士法人ラグーンの 解決事例はこちら