【解決事例】離婚を提示されて、財産分与、解決金の増額に成功した事例
離婚を提示されて、財産分与、解決金の増額に成功した事例
依頼者 |
妻 60歳代 職業 会社役員 | |
相手方 |
夫 60歳代 職業 会社役員 | |
財産 |
不動産、預貯金、保険 | |
子供 |
子供3名、2名は成人 | |
和解内容 |
1 当事者は離婚する。
2 親権者は母親とする。
3 養育費として、子供の大学卒業まで、25万円支払う。
4 財産分与として、夫から妻に、1500万円の支払い。
5 不動産名義は夫のままとする。
6 年金分割
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依頼のきっかけ
依頼者は、夫と30年もの結婚生活を続けていましたが、夫が家にいないことが多くなり、夫婦間の会話もほとんどありませんでした。依頼者は、夫が経営する会社の取締役で、業務内容としては、経理を担当していましたので、夫と職場で、毎日、顔は合わせていましたが、家では夫婦らしい生活はなく、そのような生活に疑問を感じていました。
依頼者が、調査会社を入れて、夫の素行を調査したところ、夫は別の女性と仲よく手をつないでデートをしていることがわかりました。
また、別にマンションを契約し、女性と一緒に生活をしていることがわかりました。
その後、依頼者はインターネットで離婚に強い弁護士を探し、弁護士に依頼をすることにしました。
事件終結までの流れ
依頼後に、弁護士が夫と話をしたところ、夫も離婚を望んでいることがわかりました。
また、女性と不貞関係にあることを認めました。
そこで、弁護士主導で夫婦の共有財産について、整理をしました。夫婦の共有財産としては、預貯金、不動産、保険、自動車と多岐に及びましたが、評価額も含めて、財産関係を整理し、財産目録を作成し、弁護士が説明をしたところ、夫婦双方が納得することができました。
また、共有財産の整理の過程で、夫が使途不明金を使用していることがわかりました。このことを夫に確認をしたところ、夫は共有財産を私的流用したことを認めましたので、財産分与額において考慮することにしました。共有財産は2000万円でしたが、不貞慰謝料と使途不明金を考慮し、妻には1500万円の分与が認められました。
養育費については、支払額について従前の支払い状況を考慮しました。また、子供は大学に進学をしておりましたので、子供が大学に進学するまで養育費の支払いの合意をしました。そして、養育費の支払いを確実にするために、離婚公正証書を作成しました。
弁護士の目
婚姻期間30年の経営者夫婦の財産分与が問題となりました。
婚姻期間が長期となると、婚姻期間中に形成をした財産は比較的高額になることが多く、かつ共有財産の種類も不動産、株、自動車、保険と多岐に及ぶことが多いといえます。このような場合には、まず、夫婦間の共有財産目録を作成することが重要となります。
また、不動産、株などについては、その評価額が問題となりますので、夫婦双方が合意できる公正な価格を設定する必要があります。
さらに、経営者の離婚の場合には、会社財産と個人財産の混在の問題、固有財産と共有財産の区別の問題も難しい場合があり、財産関係の確定も慎重に行わなければなりません。
この点、依頼者は早期に弁護士に依頼をされたため、早期に財産目録の作成に着手をすることができました。そのため、共有財産の内容については、早期に確定をすることができ、その後のトラブルを防ぐことができました。
加えて、今回は夫の使途不明金の使用、不貞行為が明らかとなっていましたので、それを金銭給付の額に反映をする必要がありました。この点、弁護士を関与させることで、財産分与の金銭給付の際に、適正な調整をすることができました。
その結果、財産関係が比較的複雑であったにもかかわらず、弁護士に依頼をしてから、4か月という短い期間で、離婚を成立させることができました。