【解決事例】離婚交渉の過程で、面会交流の調停を申し立てることで、早期に離婚について合意をすることができた事例
離婚交渉の過程で、面会交流の調停を申し立てることで、
早期に離婚について合意をすることができた事例
依頼者 |
男性 30歳代 会社員 年収300万円 | |
相手方 |
妻 パート 100万円 | |
財産 |
共有財産なし | |
子供 |
二人 | |
和解内容 |
1 親権者は母親。 2 月1回の面会交流を認める。 3 養育費一人につき2万円(二十歳まで) 4 同居中の負債の清算 5 年金分割 |
依頼のきっかけ
喧嘩を繰り返すうちに、お互いの対立は決定的となり、別居となってしまいました。
離婚に向けての話し合いをしていましたが、離婚の話し合いに妻の親族などが介入をしてくるなどしたため、うまくいきませんでした。
夫としては、子供の事をきちんと決めること、親権を母にするとしても、面会交流の機会を保証してほしいという思いがあり、弁護士に交渉を依頼することにしました。
事件終結までの流れ
面会交流の方向性が定まった後、養育費や同居中の負債の整理の話し合いも進み、子供の問題だけでなく、金銭問題についても、合意に至りました。
結果として、上記の内容で、調停離婚が成立しました。
解決のポイント
当事者同士で離婚の交渉を行う場合には非常に困難が伴います。というのは、離婚の話が出ている時点で、既に感情的な対立は激化しているのが通常ですから、冷静に、子供の事、お金の事について合意をするのは困難といえます。
そして、離婚の当事者がメンタル面で不調をかかえている場合には、なおさらその交渉は困難となります。しかし、結婚とメンタル不調の問題については、切っても切り離せない問題と言えます。夫の職場でのストレス、うつ病の発症、自律神経失調症、妻の産後うつ、産後クライシスなど、メンタル不調の問題については、婚姻生活で問題となることが多いです。
今回のケースは、当事者双方がメンタル面で不調をかかえるという事案であり、片方がメンタル不調をかかえている場合よりも、難しいケースといえました。
このような場合、第三者的な立場にある弁護士が介入するメリットは非常に大きく、交渉がうまくいく事が多いです。
交渉では面会交流の実現ができないなど、交渉がなかなか進みませんでしたが、交渉が難しいと判断するや否やすぐに調停の申立てをしました。調停では、面会交流の意義等を主張し、調停委員にも説得をしてもらうことで、試行的面会交流が実現しました。
離婚事件では調停に持ち込むことで、事件が長期化する可能性もありますが、今回のケースでは調停に移行後は、それほど時間を要さずに、調停が成立しました。第三者である裁判所、つまり、調停委員に関与してもらうことで、話し合いがうまくいくケースもあるといえます。
そして、いったん子供の問題について合意に至ると、お互いに信頼関係が回復されはじめて、お金の問題については、スムーズに合意に至ることができました。
弁護士の目
離婚時には子供とも面会交流について決めるべきですが、夫婦間で感情の対立がある場合には、面会交流がうまくいかないことが多いです。そして、監護者が子供との面会交流を拒否している場合には、仮に弁護士が介入をして、交渉をしたとしても、面会交流の実現までにはいかないことが多いです。
そこで、面会交流を拒否しているようなケースでは、裁判所などの第三者機関に関与してもらうことで、うまくいくケースが多いです。
具体的には面会交流の調停の申立てをすることになります。
裁判所で使える人的資源としては、調停委員、家庭裁判所調査官、家事審判官などがあり、設備としても、面会室を設置する等、裁判所での面会交流も可能です。
近年面会交流の調停件数が増加しており、裁判所としても、原則として、面会交流を認めるべきというスタンスであるため、面会交流を全く拒否することは、例外的な場合を除き、困難といえます。
今回のケースも裁判所という第三者機関を利用することによって、面会交流が実現でき、面会交流だけでなく、お金の問題についても、早期に合意に至ることができました。