婚姻費用の負担が大きくなることを防ぎ、調停で1年で解決した事案
概要
依頼者 男性20歳代 医師
相手方 女性20歳代 音楽家
財 産 預貯金,保険
子 供 なし
離婚理由 性格の不一致(妻の金銭管理)
和解内容 夫が一切の解決金として150万円支払う
依頼のきっかけ
もともと就職を理由に単身赴任していた本人は,自身の給与や貯金の管理を妻に任せていました。
しかし,赴任して1年が経過した後,妻から生活費が足りないとして通常時以上の金銭を求められるようになったり,本人名義の通帳を見せることを拒まれたりするようになりました。本人が妻に対して事情の説明を求めるなど話し合いをしようとすると,妻側から一方的に拒否されるようになり,最終的には離婚を求められるようになってしまいました。
本人としても,妻から離婚を言い渡されたことから,今後どのように離婚について協議してよいかわからず,当事務所に相談に来られました。
事件終結までの流れ
当事務所では,本人名義の預貯金の内容の開示に加え,妻の手元にある通帳を返却するように求めるとともに,離婚を先行させ、双方にとって迅速な解決を図ることとしました。
しかし、妻は一転し,本人からモラハラを受けた,結婚前後で妻の実家が本人夫妻に相当の援助をしたと主張し,「慰謝料500万円を払うまで離婚しない」,「離婚するまで婚姻費用を支払ってほしい」として,離婚調停,婚姻費用分担を申し立ててきました。
調停では本人の通帳が返却され,預貯金の内容を把握するに至りました。また妻は慰謝料にこだわり続けていましたが,各事実について詳細に認否をし,慰謝料が発生するような事実がないという主張を粘り強く行いました。
結果として,調停時から離婚までの未払いだった婚姻費用の清算を含め,妻に150万円を支払うという内容の調停で離婚が成立しました。
弁護士の目
ご本人が当事務所に依頼をして,約1年で調停が成立して離婚となった事案です。
夫婦が別居した場合,収入の多い側は相手に対して婚姻費用を支払う立場に置かれます。また,離婚する上で,離婚に伴う条件(親権者,養育費,財産分与,慰謝料などの解決金,年金分割等)を定めることとなります。
しかし,各条件に関して,相手の財産状況を明らかにさせ,又は裁判所を通じて文書送付嘱託・調査嘱託の手続をとったりするなど,双方の正確な証拠資料の収集にこだわるあまり,調停が長期化してしまうこともあります。そうなると婚姻費用を支払う期間が延び,結果として婚姻費用を支払う側の負担も増大してしまいかねません。
依頼者の真の希望は何か,解決までに想定されるルートの中でベストと言える選択は何かを熟考し,依頼者に提案するということを当事務所では心がけております。
本人同士で話し合いがうまくいかない,または話し合いをする前だが不安だという方は,弁護士への相談をご検討ください。