教師の離婚について弁護士が解説
はじめに
現代の教師の方々は、日々の授業に加えて、部活動や保護者対応など、多忙を極めていると言われています。
そのような多忙な生活を送っている中で、プライベートな時間の確保が難しく、結果として、離婚に繋がる場合もあります。
今回は、教師が離婚する場合、注意するポイントを以下で解説します。
教師の離婚における財産分与について
教員の場合、収入が安定していることが多く、手当等の影響で、分与対象財産が高額になる可能性があります。
教師の離婚における退職金について
将来受給しうる退職金のうち、婚姻関係が破綻する前の期間に対応する部分については、その受給権に権利者の寄与を認めるのが相当とされ、財産分与の対象となります。もっとも、退職金は、将来の財産であることから、受給の不確実性や、将来受け取るものであって、離婚時または財産分与時に義務者の手元にあるわけではないという事実が考慮されます。
もっとも、教師という職業は、勤務が継続される見込みが高いとみられやすく、また雇用主が、都道府県や市区町村であったり、基盤のしっかりした学校法人などの場合には、雇用主の破綻により退職金を受給できないというリスクも少ないことから、財産分与基準時までの退職金を算定し、その金額が財産分与の対象となることがあります。
教師の離婚における婚姻費用・養育費について
親が教員である場合、子どもの教育に力を入れる場合も多く、子どもが私立学校に通っていたり、習い事を多数していたり、子の教育費が多額となっている場合があります。
婚姻費用や養育費は、双方の収入に応じて、算定表に基づき算定されますが、「特別の費用」がある場合には、加算される場合もあります。
特に教育費については、公立学校の子がいる世帯の年間平均収入に対する学校教育費相当額が基礎とされていることから、私立学校に子どもが通っている場合には、婚姻費用や養育費が加算されることがあります。
一方で、習い事や塾の費用については、婚姻費用等が別居前と同水準の生活を保持する意図まで持つものではありませんので、加算の対象とならないことがほとんどです。
最後に
教員の方の離婚の場合の注意するポイントを解説しました。
「退職金の分与はどうなるのか?」「養育費の金額はどうなるのか?」など、疑問・不安のある方は、弁護士に相談されることをおすすめします。