40代・50代の離婚について弁護士が解説

1 40代,50代で多い離婚の理由

結婚当初から我慢してきた夫の嫌な部分が長年にわたり積み上げられてきて,耐えられなくなったのと同時に,子育てもひと段落したこときっかけに,離婚を決意される方が多いように感じます。

子どもが自立し,家族一緒に暮らす必要性を感じなくなってくると,我慢を続けて夫との生活を続けることに意義を見出せず,離婚を考える女性が少なくないのかもしれません。

また,離婚の原因として多く挙げられるのが夫の不倫です。

40代,50代は夫婦間のマンネリ化とともに,子育てがひと段落する時期でもあるので,別の異性に目が向いてしまうこともあるようです。

2 40代,50代女性が離婚する際に特有な問題点

(1)離婚後のためにお金が必要であること

40代,50代女性の場合には,子どももある程度大きくなっており,教育費にも多額の費用が必要になってきます。

また,専業主婦の場合,就職先を見つけることが容易ではないともいえます。

さらに,老後の資金についても現実的に不安が大きくなってくる頃です。

したがって,20代や30代の女性に比べて,離婚後のためのお金の現実的な必要性が高いともいえます。

(2)財産分与が高額になる可能性があること

40代,50代の女性の場合には,夫と結婚をしてからある程度の年数が経過していますので,夫婦の共有財産についても20代や30代の夫婦に比べて高額な財産となっている可能性があります。

共有財産については,離婚時の財産分与によって分けることになります。そのため,しっかりと財産の調査や評価をしなければ,本来得られるはずの財産分与よりも少ない金額になってしまう可能性があります。

3 離婚のとき主張できる権利

(1)親権

離婚の際には,どちらが子どもの親権者になるかを決めなければなりません。

特に40代,50代の女性の場合には,子どもの年齢もある程度に達している場合も多いと思います。子どもが15歳以上であれば,親権者を決めるにあたり,子どもの意見も考慮されることになります。

(2)婚姻費用・養育費

夫と別居をした妻は,離婚が成立するまでの間,夫に対して婚姻費用という生活費を請求することができます。

また,離婚して子どもを育てることになった女性は,夫に対して養育費を請求することができます。

別居中や離婚後に経済的不安がある場合には,婚姻費用や養育費をしっかりと取り決めしておくことによって,少しは安心して生活することができます。

家庭裁判所において,婚姻費用や養育費は,お互いの収入や子どもの人数などに応じて決められるので,安易な取り決めをしないように注意が必要です。

(3)財産分与

離婚時には,夫婦の共有財産を清算するために財産分与をすることになります。

40代,50代の夫婦の場合には,20代や30代の夫婦に比べて高額な財産を形成している傾向にありますので,財産分与で得られる財産も高額になる可能性があります。

他方で,40代,50代の夫婦の場合には,住宅ローン付きの自宅をどのように処理するかという問題が生じることも多いです。また,その際に連帯保証人や連帯債務者の問題が生じる場合もあります。

(4)年金分割

年金分割とは,婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金の分割を行い,それぞれ将来自分の受け取ることができる年金にすることができるという制度です。

年金分割をすることによって,多くの場合には,女性が将来受け取ることができる年金額が増えることになります。

(5)慰謝料

夫のDVや不貞などを理由に離婚をすることになった場合には,夫に対して慰謝料を請求することができます。

慰謝料の金額を決める際には,婚姻期間の長さもひとつの考慮要素となります。

したがって,40代,50代の女性が請求する慰謝料の金額は,20代,30代の女性が請求する場合に比べて高額になる可能性があります。

4 弁護士に相談,依頼するメリット

(1)適切な条件で離婚を進めることができる

離婚にあたっては,親権,養育費,慰謝料,財産分与,年金分割,面会交流などさまざまな離婚条件を定める必要があります。

ご本人だけでこれらの条件を夫との話し合いで詰めていくのは非常に労力を要する作業です。

また,ご本人だけでは,夫が提示する条件が法的に適切かどうか判断することができず,不利な条件で離婚をしてしまうリスクもあります。

特に夫からのモラルハラスメントを受けている方は,夫との条件交渉が億劫になり,不利な条件での離婚を余儀なくされる方も少なからず見受けられます。離婚を急ぐあまり,きちんと離婚条件について話し合いをしていないと不利な条件で離婚をしてしまう可能性があるので注意しましょう。

とにかく離婚できればいいと考えるのではなく,どのような条件で離婚をすればよいのかという点を重視して手続きを進めていく必要があります。

そこで,適切な条件で離婚を進めるために,弁護士に相談,ご依頼されるメリットがあると思います。

(2)離婚調停や離婚裁判の対応を任せることができる

弁護士に依頼をすることによって,協議離婚における相手との対応を任せることができるのはもちろんのこと,調停や裁判となるとひとりでは不安になりますが,弁護士のサポートを受けることによって安心して手続きを進めることができるようになります。

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