養育費〜分割か?一括か?
未成年者の子供がいる夫婦が離婚をする場合、養育費の金額を決める必要があります。
この養育費ですが、ほとんどのケースで分割払いとなります。それは若い夫婦の場合、養育費を一括で払うことができる夫はほとんどいないのが現状だからです。仮に、月の養育費を4万円だとしても、子供が0歳児とすると、
4万円×12(1年)×20(20年)= となり、それなりの金額となります。1万円増えるごとに、万円増えることになります。
支払いが可能だとして、養育費としては、分割と一括のどちらを望みますか?
もらう方からすると、一括が望ましいようですが、理屈で考えてみると、分割の方が望ましいのではいかと思います。
もらう方からすると、夫が払ってくれない恐れがある。一括で払ってもらった方が、未回収のリスクがなくなるので、安心。一括でもらえば、あとは縁が切れることから、安心できるなどの、理由が考えられます。しかし、一括の支払いは以下のとおりのデメリットがあります。
養育費の一括払いには強制執行が可能かどうか、という点です。
養育費は、それぞれ月ごとに発生すると言う考えがあります。この考え方によると、養育費の一括払いはいまだ具体的に発生をしていない権利について、支払うことを認めるものです。このように具体化していない権利について強制執行が可能かどうかについて、争いがあるのです。養育費の一括払いについては、○日後払うなどではなく、契約時に払ってもらう方がいいと思います。
次は、一括で払ってもらう場合には贈与税のリスクがあると言う点です。
月ごとに払ってもらう場合には、贈与税のリスクはありませんが、一括となると、金額も高額といえますし、前記の通り、いまだ具体化してない権利という性質上、贈与と認定されるおそれもなくはありません。
また、子供が養育をする必要がなくなった時に、清算の問題が出てきます。
例えば、子供が二十歳になる前に死亡した場合や妻が再婚をして、子供も養子縁組をして十分に扶養を受けていると言う状態になった場合に、養育費の返還の問題が出てきます。
払ってくれないと言うリスクが存在することも事実ですが、はやり養育費は定期払に馴染むものと言えます。