【解決事例】DV常習夫から1,000万円の支払いと年金分割を受けて離婚した60代パート女性の事案
DV常習夫から1,000万円の支払いと年金分割を受けて
離婚した60代パート女性の事案
依頼者 |
女性 60歳代 パート | |
相手方 |
夫 パート 年金生活者 | |
財産 |
不動産 預金1000万円 多数の株式など | |
子供 |
すでに自立 | |
離婚理由 |
夫の暴力 | |
離婚内容 |
1 解決金として1000万円の支払い。
2 年金分割
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依頼のきっかけ
依頼者の女性は、約30年にもわたり暴力を受け続けてきました。
暴力は日常的にあり、子どもの前でも暴力を受けたり、夫は家の物を破壊するなどの行動に及びました。このような継続的な暴力を30年間も受け続けてきました。
なんども、離婚を考え、夫から逃れようと思いましたが、その度に夫が妻を連れ戻しに来たため、夫から逃れることができませんでした。
夫婦生活も30年にも及びましたが、この度、警察も出動する暴力事件に発展し、これ以上の生活は困難と感じ、別居・離婚を決意し、弁護士に依頼をすることにしました。
事件終結までの流れ
別居の直前まで、暴力が存在していましたから、まずは配偶者保護命令の申立てをしました。配偶者保護命令の申立の審理の中で相手は暴力の存在を認めました。診断書や警察署の相談票、写真などが証拠として存在していました。そのため、暴力自体を否定するのは難しく、相手は暴力の存在を認めました。
その結果、保護命令が認められました。
離婚調停に進みましたが、当初相手方は、離婚そのものを拒否しました。しかし、裁判に行くことをほのめかしたところ、相手方は裁判になることに難色を示し、離婚そのものに応じる意向を示しました。おそらく、DVの証拠が十分に存在していたことから、裁判になると慰謝料の支払が確実視されていたためです。
30年間暴力が継続していたこと、ある程度の財産形成が見られたことから、当方で、1000万円の支払いを提案したところ、当初は難色を示しましたが、最終的には、1000万円を支払うという内容と、年金分割に合意をしました。
弁護士の目
別居直前からDVの存在がありましたので、依頼者の生命・身体への危険を回避するために、配偶者保護命令の申立てをしました。直近にDVが存在する場合にはまずは配偶者保護命令の申立てを検討するべきことになります。
また、その他に保護命令には「ラべリング効果」と言うものが存在します。これは配偶者保護命令で決定が認められると、「DV男」というレッテルが張られることになります。これは、手続きのすべての段階でレッテルが張られることになります。調停、訴訟の手続きの中で、「DV男」という扱いを受けることになり、交渉や手続きを進めることに非常に不利となるのです。
今回の「ラべリング効果」に成功し、交渉をうまく進めることができたケースと言えます。
もちろん、そのために最初にどのように動くのかが重要となります。保護命令の申し立て、証拠の整理などこれらの手続きを迅速に進めるためには、離婚処理の長けた弁護士に依頼をする必要があります。